トルネックスは約40年前から分煙対策のご提案をしております。当時は職場でも自席で喫煙するのが当たり前で、電車にも灰皿が付いていて車内で喫煙することができました。今では考えられないことですが、その後、厚生労働省のガイドライン、各地域での路上禁煙条例、神奈川県、兵庫県の受動喫煙防止条例などを経て、2020年4月の改正健康増進法施行により、現在の分煙のスタイルが定着しています。
20年くらい前までは時間分煙(就業時間中は禁煙にして昼休みと勤務時間外は禁煙。飲食店でランチタイムは禁煙タイムを設けるなど)、空間分煙(喫煙席、禁煙席を分ける。指定の場所に喫煙室を設けて、喫煙室以外は禁煙にする)などの分煙方法がありましたが、近年は空間分煙が主流となっており、喫煙所の個室化が進んでいます。
効果的な分煙をするために、煙の漏れない喫煙室を作るポイントは以下の通りです。
①喫煙所をしっかりと囲う
煙がもれないように、喫煙所を喫煙室にする必要があります。その場合アルミパーティションやスチールパーティションで喫煙室を囲う場合が多いです。
②喫煙室の換気(屋外排気)をきちんとする
健康増進法の喫煙室基準にもある通り、煙の漏れない喫煙室を作るためには、屋外排気する換気設備が必要です。また、喫煙室の外から空気を取り込めるようにガラリやアンダーカットを設けておかないと喫煙室にきちんと給気されず、煙がきちんと排気されないことがありますのでご注意ください。
③喫煙室内に喫煙所システム(分煙機・空気清浄機)を設置する
喫煙室内に空気清浄機を設置することは、改正健康増進法の喫煙室基準では義務付けられていませんが、排気だけで喫煙室内の煙を処理しようとすると、大風量の換気扇が必要になり、エアコンで空調された空気をどんどん排気するので、電気代がかかり省エネになりません。喫煙所システム(分煙機)は、たばこの粉塵を効率力清浄化し、空調に影響を与えないので屋外排気より省エネです。ただし、ガス成分は除去できないので換気と併用してください。
④喫煙室入口の漏洩防止にエアカーテン
喫煙室内の空気を屋外排気して、喫煙室入口の上・中・下の3点全てのポイントで喫煙室に向かう0.2m/s以上の風速が確保できていれば、煙が外に漏れない法律の基準を満たした喫煙室になりますが、排気風量が足りずに0.2m/sの風速が測定できない場合には、入口にのれんをつけて開口面積を狭めて風速を確保する方法やエアカーテンを取り付けて風速を確保する方法があります。トルネックスでは、喫煙室の風速を測定して改善提案をするサービスも行っています。
2020年4月1日から改正健康増進法が完全施行されました。
学校、病院、行政機関、児童福祉施設などの「第1種施設」は敷地内禁煙(屋外喫煙所は設置可能)それ以外のオフィス、飲食店、宿泊施設、商業施設などの「第2種施設」は、健康増進法の基準を満たした喫煙専用室以外は原則禁煙となります。
※2020年4月1日時点で営業している飲食店で、資本金5000万円以下、客席面積100平米以下の場合、保健所に届出書を出せば、従来通り飲食しながら喫煙が可能になります。
喫煙室の種類
喫煙室の種類は、喫煙専用室、加熱式たばこ専用喫煙室、喫煙可能室、喫煙目的室の4種類があります。
①喫煙専用室(全ての第2種施設)
紙巻たばこ、加熱式たばこが喫煙可能、飲食不可、施設の一部に設置
②加熱式たばこ専用喫煙室※経過措置(全ての第2種施設、主に飲食店を想定)
加熱式たばこのみ喫煙可能、飲食可能、施設の一部に設置
③喫煙目的室(喫煙目的施設(公衆喫煙所、喫煙を主たる目的とするバーやスナック等、店内で喫煙可能なたばこ販売店)に限定)
紙巻たばこ、加熱式たばこが喫煙可能、飲食可能(主食の提供は不可)、施設の一部又は全部に設置
④喫煙可能室※経過措置(既存特定飲食提供施設が設置可能)
紙巻たばこ、加熱式たばこが喫煙可能、飲食可能、施設の一部又は全部に設置※既存特定飲食提供施設とは、2020年4月1日時点で営業している飲食店で、資本金5000万円以下、客席面積100平米以下の場合、保健所に届出書を出せば、従来通り飲食しながら喫煙が可能になります。ランチタイムのみ禁煙などの時間分煙も可能です。
例えば飲食店では、加熱式たばこ専用喫煙室であれば、加熱式たばこに限り喫煙しながら食事ができます。
また、喫煙室を作る場合は以下の点にご注意ください。
【20歳未満の喫煙室への立ち入り禁止義務】
喫煙室は20歳未満立ち入り禁止になります。お客様だけでなく従業員も対象になるのでご注意ください。
【喫煙室への標識の掲示義務】
喫煙が可能な施設に対して、どのような喫煙設備を設置しているかについて説明する標識の掲示が定められています。標識は建物の入り口と喫煙室の入口の2ヶ所に掲示する必要があります。
喫煙専用室等であることの表示義務などを怠ると最大50万円の過料が課せられます。喫煙専用室等の表示については、厚生労働省のWEBサイトからデータをダウンロードできますので、詳しくはこちらをご覧ください。
・出入口にて室外から室内に流入する空気の気流が毎秒0.2メートル以上であること
・たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁や天井などで区画されていること
・たばこの煙が屋外または外部に排気されていること
喫煙室の入り口のドアを開けた状態で、0.2m/s以上の風速で空気が流れるように排気風量を計算する必要があります。
アルミパーティションなどで入口以外の開口部を仕切ります。その場合スライドドアにして、ガラリを設けることが効果的です。
※風速を測定する時には、ドアを開けた状態で、入口の上中下の3カ所で測定して全て0.2m/s以上でなくてはいけません。→ 例えば、上 0.15m/s 中 0.2m/s 下0.28m/s では条件を満たしていません。「ドアがついていれば大丈夫」と考えている方もいらっしゃると思いますが、それは間違いです。反対に入口で0.2m/s以上の風速が確保できていれば、ドアは必要ありません。ご注意ください。
また、どうしても屋外排気する換気の取り付けが難しい場合、経過措置である脱煙機能付き喫煙ブースを設置する方法があります。経過措置の脱煙機能付き喫煙ブースは、屋外排気することが難しい建物でも、たばこの煙を十分に浄化し室外に排気するために必要な措置をとれば、設置が可能です。排気工事やダクト工事は必要ありません。
※2020年4月1日時点の既存建築物に限ります。
【経過措置の脱煙機能付き喫煙ブースの条件】
・総揮発性有機化合物の除去率が95%以上であること
・当該装置により浄化され、室外に排気される空気における浮遊粉じんの量が0.015mg/m³であること。
・喫煙専用室等に向かう気流が開口面の全ての測定点で0.2m/s以上 ※1
※1 厚生労働省 脱煙機能付き喫煙ブースの性能をするための測定方法の例より
経過措置の分煙脱臭ブースであっても、喫煙室入口で喫煙室に向かう0.2m/s以上の気流があることが条件になります。
「ドアをつければ大丈夫」ではありませんので、ご注意ください。
トルネックスでは、以下の商品が健康増進法の経過措置に対応しています。
健康増進法経過措置に対応!換気の増設が難しい場所にトルネックスの分煙脱臭ブース
【特許取得】 喫煙室として組立てコンセントを差し込むだけで
厚生労働省の喫煙室基準をクリアした喫煙室が完成します。分煙専門メーカーとして40年以上の実績がある国内メーカートルネックスが開発した喫煙ブースです。
【分煙脱臭ブース】
https://www.tornex.co.jp/
以上、健康増進法施行後の分煙、禁煙のルールについて解説しました。健康増進法が施行後、コロナ対策のために喫煙室が閉鎖されていた所も多かったと思います。飲食店も感染対策の影響で客足が少なくなっていたと思いますが、感染が落ち着いてきて、今年5月に新型コロナが2類から5類に移行してから、オフィスや飲食店にも人が戻ってきているのではないでしょうか。分煙対策を検討する場合には、施設の広さや企業規模、業態により対策方法が変わってきます。トルネックスでは施設に合わせて効果的な分煙対策をご提案していますので、お気軽にご相談ください。