技術情報
人工竜巻形成技術
開放空間で空気を効果的に吸引させる技術です。
4本の柱から同一回転方向にエアカーテンを吹き出し、エリア内の空気に旋回流を 発生させます。さらに、エリア中心部の下部または上部に設けた吸引口から空気を 吸引。 旋回流を渦流に変化させ、人工竜巻を形成し、エリア内の空気の拡散を防ぎ ながら汚れた空気を捕集します。
世界各国で特許を取得しています。
同一方向に風を送り出し(右図)旋回気流を作り(左図)タバコの煙を吸引する。
人工竜巻形成技術特許
動画で見る「トルネックスの人工竜巻形成技術」
- 人工竜巻形成技術を採用している製品
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開発エピソード
啓蒙活動を展開して分煙市場を一から開拓
株式会社トルネックス
代表取締役 松井 周生
技術部 部長 浦田 浩作 / 環境営業部 第二営業課 山本 直樹
※敬称略。所属及び役職、呼称につきましては、公開当時のものです。
‐トルネックスの特徴的な技術や取扱商品について教えてください。
浦田
トルネックスの技術は、基本的には気流制御技術からスタートしています。
この技術から商品化されたものに、タバコの粉塵処理をする喫煙所システム、分煙化や冷暖房効率向上のために飲食店などに導入していただいているエアカーテン装置、病院や研究所のホルムアルデヒド対策のために開発されたプッシュブル換気装置などがあります。
タバコ対策で基幹となっているのは「人工竜巻」と「強制負圧」という気流制御技術です。喫煙所システムには、粉塵や臭い、ガスを捕集する一次処理機能と捕集したものを浄化する二次処理機能があります。一度広がってしまった粉塵などを捕集するには相当大きなエネルギーが必要になりますが、発生してすぐに捕集すれば非常に効率が良いです。
長年、我々はこの一次処理に特化した気流制御技術の研究開発を行ってきました。
‐どのような経緯で開発されましたか?
松井
当社では、もともとはエアカーテンを扱っていました。エアカーテン技術のポイントは整流した風の流れにより空気を遮断することにありますが、空気を流すと必ず渦流や乱流ができて遮断効果は下がります。そこで、渦流をつくってその構造を検証していたところ、偶然、竜巻状の流れが生じました。竜巻の特性として「渦収束性」という回転しながら真ん中に集まる気流があります。この気流を局所排気の分野に活用すれば、ある一定の範囲を効率的に排気できるというアイデアが芽生え、人工竜巻の開発に至りました。
山本
最初はエアカーテンの柱2本を用いて、人工竜巻をつくる装置を開発しました。鉄工所など工業用の局所排気の技術として活用されましたが、小型化などの改良を進めて喫煙所システム『トルネックス エリア』を開発しました。さらに、エアカーテンで空気の壁をつくり、煙を周囲に逃がさない強制負圧技術を導入し、分煙化市場を開拓していきました。
‐分煙市場の開拓を始めたきっかけは何でしょうか?
松井
世の中に幅広く使っていただける製品に応用できないかと考えました。そこで浮かんだのが、タバコの煙を処理できるシステムです。当時は、アメリカでは喫煙が社会問題になりつつあり、日本でも嫌煙権が騒がれるようになった時代でした。日本もアメリカのように分煙化が進むに違いないと思い、喫煙所システムの開発に踏み切りました。
「分煙市場の創出・創世」をスローガンに分煙市場の開拓を始めましたが、発売当初はまったくダメでしたね。オフィスではみんな自席でタバコを吸っていて、そもそも喫煙所で吸う文化もありません。そこで、受動喫煙の害などの啓蒙活動を展開して「分煙」という言葉を広めながら、喫煙所システムを提案していきました。
‐他社製品との違いはありますか?
松井
それまでにも空気清浄機はありましたが、気流制御できる商品はありませんでした。どんなに高性能なフィルタを入れても、浮遊粉塵がフィルタを通らないと清浄化できません。効率的に粉塵を捕集する気流制御機能付きの喫煙所システムは非常に画期的でした。
山本
導入の際に大掛かりな工事が不要で、省スペース、メンテナンスがしっかりしているのも特長です。要望通りに色やサイズを変えるなど、お客様のニーズにきめ細かに対応するソリューション提案をしています。